テキストと音声の入ったいわゆるテキストDAISYは、PRSやMyStudioPCではつくれず、 マルチメディアDAISYと同様にSigtunaDAR3で作成する必要があります。
Microsoftが、文書を保存するとき「DAISYで保存」を選択すれば、テキストDAISYが
できるようにするという情報があります。
「htmlで保存」はすでにできるので、テキストDAISYの制作はたいへん楽になるはずです。
ただ、画像も入れられるのか、音訳はどうなるのかなどの詳細はわからりませんが、
当然、音訳機能も含まれていると予想されます。
マルチメディアDAISY図書をつくる(概要)
SigtunaDAR3の詳細なトレーニングマニュアルは
DINF
http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/book/manual/sig3_manual.html
からダウンロードできます。たいへん詳しくて見ただけであきらめる方も多いので、
PRSの簡易マニュアルと同じように、簡単・速成用マニュアルをいずれつくる予定です。
マルチメディアDAISY図書の制作は、考えるほど難しくなく、意外に簡単で面白いプロセスです。
子供たちでさえしています。
ただ、すべての制作プロセスを一人でこなすのは可能ですが、現実的には、画像処理、 テキスト編集、音声吹込みの3つに分けて担当するのが合理的と思います。 以下にその概要を示します。
■ 画像処理 ■
1) まず、スキャナーで、本を画像としてとりこむ。
スキャナーEPSON GT-F650(12,000円)は家庭用なのでスピードは遅い。 福岡点字図書館にに高速両面スキャナーが入る予定だそうですが、高速処理するには、 本をバラバラに裁断しなければなりませんが頼りになる機器です。 もちろん、1ページずつスキャンすることもできます。
2)画像から写真や図を取り出して編集する。
PhotoshopやPixia、 GIMPなどの 画像編集ソフトを使って必要な写真や図のファイルをつくります。 DAISY利用者のディスプレイが大きいとは限らないので、 画像ファイルの大きさに注意が必要です。 2〜3種類の大きさを準備しておいたほうがよさそうです。
■ テキスト編集 ■
3)画像データから文章をOCRで読み取りテキストファイルにして校正します。
スキャナー付属のOCR用ソフトウェアは精度が低く誤認識が多い可能性があるので、
その場合には、
らくらくリーダー2 69,000円 (アイネット株式会社)
などのOCRソフトを使い、テキストをていねいに校正します。
ここを手抜きすると後が面倒です。
4)htmlファイルに変換します。
2で校正したテキストファイルに画像を配置してhtmlファイルに変換します。 htmlファイルの作り方はホームページつくりとほぼ同じですがもっと単純です。 DINFからhtmlコンバーターがダウンロードできますが、使うタグはきわめて限られているので コンバーターはそれほど必要でないかも知れませんが、 やはりタグのミスをなくすには便利でしょう。 最近の講習会ではコンバーターを使っていないようです。 htmlファイルをしっかり編集しておくことがきわめて重要です。地味な作業です。
5)htmlファイルをSMILファイルに変換する。
音声とテキストをシンクロさせるための処理。SigtunaDAR3で自動的にSMILが作成されます。 ナレーションを入れる前に、SMILファイルもバックアップしておくことをすすめます。 htmlファイルは、SMIL変換時に自動的にバックアップされます。
■ ナレーションの吹込み ■
6)音声を吹き込む。
テキストとシンクロさせて音声を吹き込みます。 音訳者とパソコン操作者が別の場合でも、一緒に作業するのが効率的です。 読み間違えがあった場合は、何度でも読み直してそのまま録音し、あとで編集します。 あとで修正することも可能ですが、録音レベルや音質が変わることが多いので要注意。
音訳の録音を別に作成して、その音声ファイルを分解して同期させることも可能ですが、 編集操作がかなり面倒で手間がかかります。
ノートパソコンでの録音は、ノイズレベルが高いので、サウンドプロセッサーが必要です。
デスクトップでの録音は一般にはるかに良質ですが、
サウンドプロセッサーを使用したほうが無難。
マイクの選択も重要。
福岡点字図書館で教えていただいた機器
サウンドプロセッサー:オンキョーSEU33GXV 15,000円程度
マイク:SONY FV820 8,000円程度
alfeniが使っている機器
サウンドプロセッサー:Roland UA4FX 18,000円程度
マイク:SONY FV420 3,000円程度(感度がやや低い)
■ CDに焼きこみラベルをつけて完成 ■
最終的には、著作権の保護のために、 コピーができいようにする処置をすることになります。